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大自然が作る造形美には、驚嘆と感動の連続だ。その大自然の中に間借りするように暮らす人々

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カナディアンロッキー /CanadianRockies


カナディアンロッキー /CanadianRockies

大自然に囲まれた広大な国、カナダ


カナディアンロッキー /CanadianRockies
カナダのバンフには成田空港からバンクーバーへ飛び、再び1時間30分のフライトでカルガリーへ降り立つ。さらに130kmの距離を1時間30分ほどバスに揺られてやっと着く。所要時間約8時間30分の旅だった。
総人口3,000万人の国カナダは広大だ。この大地には1万年前にベーリング海峡を越え、モンゴロイドが渡ってき、10世紀にはスカンジナビアからバイキングもやってきたという。それにしてもカナダは、大自然の中に人間社会が間借りしていることを実感する国だと思う。言い換えれば、経済尺度で人間社会の利があれば、大自然をどのようにでも切り刻もうとする不遜の国とは真逆の国だという印象だ。

さすが動物愛護の国、カナダだね。


カナディアンロッキー /CanadianRockies
何よりもこのカナダは、動物愛護の思想が徹底しているようで、高速道路には、クーガーなどの大型動物が道路を横切れるよう動物専用陸橋を設け、1kmごとにアンダーパスと呼ばれる地下専用道を作っている。標高1,400mのバンフの町にいると、人間が大自然をほんの少し間借りしているのだという実感がより大きくなる。町のあちこちにエルク(馬のような大きさの鹿)が群れをなしているのだ。エルクの発情期に夜の一人歩きは禁物だとガイドさんのお話。夕食後は、レストランからホテルまでバンフの夜空を楽しみながら、三三五五でテクテク歩くことになった。
ホテルまでの帰り道はそう遠くはないが、脇道に入り野原を横切ればホテルには近く思えた。しかし、決して臆病者ではないが、ほろ酔いかげんの吾輩は暗闇の野原の近道を選ばず、急がば回れで広い道なりに連れと一緒に夜空を楽しみながらゆっくり帰った。それはガイドさんの話を覚えていたからだ。翌朝、バスの中でツアーのメンバーが話をしているのが聞こえてきた。なんでも昨晩、脇道に入って近道していると大きなエルクたちに囲まれて怖かったという体験談だ。呉々も旅に出ては、ガイドさんの話をしっかり聞いておくことだ。
そういえば、ガイドさんのこんな話も思い出したので、参考までに書き留めておこう。「カナダ人は日本人に比べ、体躯のサイズが相当大きい。そのため、例えば風邪を引いたとして、この国のクスリを入手した場合に、クスリを飲む量は一般的に指定された分量の半分くらいに抑えた方がいい」という。これはガイドさんの実体験の話だと思われる。日本人には効きすぎの度を超えて、体調を崩す可能性もあるということだろう。海外に出るときは、日本の常備薬を携帯すること。それを忘れて、薬を現地調達する場合には、次のことを覚えていた方が無難かも知れない。「日本人より大きい体躯の国民が住む国では、飲む薬は処方箋の指示の半分」

大自然の美しさを語る言葉が見当たらない


この大自然の美しさについて適切に語る言葉は、吾輩の脳細胞のどこを探しても見当たらない。筆舌に尽し難しで、風景に見愡れてしまうばかりだ。
参考までに、カナダで最初に国立公園として指定されたのがバンフ国立公園で、世界ではアメリカのイエロー・ストーン、オーストラリアのロイヤルに次いで3番目に古いそうだ。そんなバンフ国立公園にはレイク・ルイーズ、ハーバート・レイク、クローフォット氷河、マウント・ケフレ、ペイト・レイクがあり、ヨーホー国立公園にはエメラルド・レイクなど...とガイドさんの説明。申し訳ないが吾輩の関心事は目の前に繰り広げられる大自然のパノラマで、耳は閉ざされ、目玉だけが瞬きを忘れてジ〜ッと見開かれたままだ。
カナディアンロッキー /CanadianRockies
カナディアンロッキーにあるコロンビア氷河を訪れた。10mの積雪で1cmの氷河ができるようだが、コロンビア氷河は、325kuの広さで、氷の厚みは365mとカナダでは決してい大きい氷河ではないという。それにしても、365mという氷の厚みがどのくらいの降雪でできるのかと計算してみると、何と365,000mの高さの雪が積ってできたということになる。思わず、氷河の氷を握りしめ、ジッと手を見た。
この日はカナダ晴れといって、最高に天気が良く、なんと肉眼で数十キロ先まで見えていた。何だか、吾輩は巨大猫となって丸い地球を眺めているような気分になった。(2006年4月)

カナダと日本を比べると


2006年のカナダの人口は3,000万人と書いたが、2018年では3,706万人に増えている。先進7カ国でトップの人口増加となっており、将来が楽しみといった国だ。日本はといえば、2019年1月に1.26億人で毎年減少していて、内閣府の発表した将来推定人口では、2060年には9,000万人を割るとなっている。国民の年間収入を調べてみると、国税庁「平成26年(2014)民間給与実態統計調査結果」では、(2014年のドルの平均値である約106円で日本円に換算すると)カナダは510万5,000円で日本の415万円を大きく上回っている。参考までに、最上位のルクセンブルクは652万円、アメリカは606万6,000円でスイスは605万円だ。実質賃金が下がっている今の現実にも、変化を嫌って政治に目も口もつむるという謙虚な日本国民だが、今後は人口減少が顕著となるわけ、果たして日本の将来はどうなるだろうか、吾輩には想像もできない。(2019年9月)
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